提供;1日見てもいいですか?
西アフリカ・ベナン共和国出身のイェリマ・モーリスさん(37)は、長野県伊那市高遠町に移住して9年。地域に溶け込み、消防団にも所属するなど、日本での生活を通じて地域への恩返しを続けています。夫の自由理さん(45)と3人の子どもたちとともに、自給自足の暮らしや地域貢献に取り組むその姿は、多くの人に感動を与えています。
西アフリカ・ベナンから日本へ
モーリスさんはベナンの内陸部、パラクーで生まれ育ちました。幼少期から両親の畑仕事を手伝い、農業や建築、警備員の仕事を経験。2013年、青年海外協力隊としてベナンに派遣されていた自由理さんと出会い、互いに惹かれあった二人は、2016年に結婚。自由理さんの地元である伊那市で生活を始めました。
3人の子どもと広い古民家で自給自足の暮らし
長女・母菜花ちゃん(7)、長男・埜里空くん(4)、次男・侑雨蓮くん(3)と5人で暮らすモーリスさん一家。築150年の古民家を改装し、広い庭や畑で休日は農作業や遊びの時間を大切にしています。
庭にはモーリスさん手作りのブランコやうんてい、ハンモックがあり、子どもたちは自由に遊ぶことができます。モーリスさんはベナンでの文化を生かし、地域の子どもたちにも家や庭を開放。区別なく遊びや農作業を教えることで、地域の子どもたちの成長にも寄与しています。
製材所での仕事と地域貢献
モーリスさんは伊那市内の「有賀製材所」に勤務し、住宅用の材木加工や運搬などの力仕事も率先して行っています。社長や同僚からは、その人柄と仕事ぶりが高く評価されています。
また、2017年からは消防団員として夜警にも参加。地域の担い手不足を補う形で、「村の仕事ならやります」と心に決め、地域防災に貢献しています。伊那市消防団東部方面隊第一分団・矢澤伸保部長も、「若い世代の活気ある力として、今後の期待の星」とモーリスさんを評価しています。
自給自足で育む生活力と地域の架け橋
モーリスさん一家は、ベナンの文化に近づけるため、庭で野菜を育て、薪でお風呂を沸かし、自給自足を実践。鶏の肉もその日のうちに自分たちでさばくなど、食に対する意識も育てています。
この暮らしを通じて、モーリスさんは日本とベナンの文化の架け橋となり、地域の子どもたちや住民との交流も積極的に行っています。「自分の場所だけじゃない、みんなの場所なんです」と語るモーリスさんの言葉に、地域への深い愛情が感じられます。
まとめ
伊那市高遠町で自給自足の暮らしを営みながら、消防団や地域活動に参加するモーリスさん一家。ベナンの文化を地域に伝えつつ、日々の生活の中で子どもたちに生きる力を教えています。地域と家族の双方に尽くすその姿は、多くの人に温かさと希望をもたらす存在です。
コメント