■ 20歳の声楽科学生・町田天音さんの依頼
依頼主は町田天音(まちだてん)さん、20歳。
探偵はお笑いコンビ・霜降り明星のせいやさん。
天音さんの依頼内容は、
「左目を失う前に、母への思いを歌に込めて届けたい。お母さんを勇気づけたい」
という切実で深い想いから始まりました。
■ 左目を閉じたままの生活、それでも「心は落ち着いている」
天音さんの左目はすでに見えず、痛みのために常に閉じて過ごしています。
空気が触れるだけで涙が出るほどの状態。
それでも彼女は静かに語ります。
「左目を取る覚悟はできているけれど、20年一緒にいたから切ない。
でも、不思議と気持ちは落ち着いているんです。」
右目の手術を終え、3週間後には左目の摘出手術が控えています。
しかし本人以上に落ち込んでいるのは、母の町田有規(ゆき)さんでした。
■ 上野学園短期大学 声楽科で学ぶ日々
天音さんは現在、上野学園短期大学 声楽科で学んでいます。
視覚障害のため、通学路では友人たちが交代で送り迎え。
楽譜は点字ボランティアの方々によって支えられています。
彼女を支える周囲の優しさが、音楽への情熱をより強くしているのです。
■ 「ちゃんとした体に産んであげられなくてごめんね」母の涙
明るく元気で、普段は元気な有規さん。
しかし、娘の手術が決まった帰り道、初めて天音さんに言いました。
「ちゃんとした体に産んであげられなくてごめんね。」
■ 群馬の母のもとへ—せいや探偵が橋渡し
せいや探偵は群馬県に住むお母さん・有規さんのもとへ。
有規さんは天音さんが妊娠6カ月・体重500gの未熟児として生まれたことを語りながら、
「本人は大丈夫と言うけれど、怖いはず」と母の胸の内を明かします。
■ 母へ届けた曲「おんがく」—まど・みちお作詞/木下牧子作曲
天音さんが選んだ曲は、「おんがく」。
もともと姉が大学時代に歌っていた曲で、母が「天音のことを歌っているみたい」と気に入っていた一曲です。
左目の痛みをこらえ、
「お母さんの目を見て、最後にちゃんとこの目で歌いたい」
という思いで歌いました。
■ 「お母さんのところに生まれてきてよかった」
歌い終えた天音さんは静かに語りました。
「お母さんのところに生まれてきてよかった。」
涙を流しながらお母さんは答えます。
「私は天音ちゃんの親になれてよかったよ。」
せいや探偵も号泣。
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