幼少期からの困難
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もりひさん(もりもとひろきさん)は、小学校2年生のときに奥歯同士が触れた瞬間、電撃のような痛みを感じました。最初に通った歯科では対応できず、市民病院での手術を受けたものの難しく、最終的には大学病院に紹介されました。その検査結果を聞いたお母さんは、あまりの衝撃に失神するほどでした。診断されたのは明細胞性歯原性悪性腫瘍。この病気は非常に稀で、日本や世界でも症例がほとんどない腫瘍です。
もりひさんは、ものごころがついた頃から何度も入院生活を繰り返してきました。治療をしても再発を繰り返し、顔には現在も穴が開いた状態が残っています。こうした過酷な状況にもかかわらず、彼は21歳まで生き抜き、今年で22歳を迎えます。
音楽や支えてくれる人々
もりひさんは、音楽を心の支えにしてきました。特にマカロニえんぴつのファンで、音楽を聴くことで気持ちを落ち着かせています。薬よりも効いてくれると話しています。
現在は鍼灸整骨院で働きながら、自分の店を持つことや、周囲の人を安心させることを目標にしています。夢の一つとして、支えてくれる彼女を専業主婦にしてあげたいと語っています。
SNS発信のきっかけ
もりひさんがSNSで発信を始めたのは2025年5月、顔に穴が開いたことがきっかけでした。日常生活が困難になり、毎日のように泣く日々。うつ病を通り越し、強い孤独感を抱えました。「このままでは終われない」と考え、SNSで自分の経験を発信することに決めたのです。
発信のテーマは**「健康は当たり前ではない。今を大切に生きる」**というメッセージです。病気や障害の後遺症と向き合いながらも、少しでも良いことを探し、周囲に希望や勇気を伝えたいという思いが根底にあります。
過酷な病状と日常の苦痛
もりひさんの病気は、単なる治療困難な腫瘍にとどまりません。顔に開いた穴は、日々感染リスクと戦う必要があります。ケアには生理食塩水での洗浄やアズノール軟膏の塗布、ガーゼ・優肌絆での保護を1日5回、多い時は10回行うこともあります。口が開きにくく、歯磨きも痛みを伴うため、日常的なケアだけでも大きな負担です。
痛みは多様で、針で刺されるような痛みや殴られるような痛み、血流の悪さによる鈍痛などがあります。特に朝は痛みで目覚めることが多く、痛み止めが効くまでに1時間かかることも。医療用麻薬を使用する際は、副作用で便秘や動けない状態になることもあり、完全に痛みを取り除くことは困難です。
ライブ配信で見せた本音
2025年10月1日に行われたライブ配信「人生終わり」では、もりひさんは自分の感情を率直に語りました。歯が急にグラグラになった出来事や、口が開かず入れ歯を作ることも難しい現状、顔に穴が開く前に美容外科クリニックで笑われて断られたこと、顔の痛みについても話しました。配信中のもりひさんは「もう終わりだ」と語り、視聴者には初めて自分の悲しみを表現した瞬間でした。
もりひさんの言葉には、**「普通になりたい。死ぬのは怖いけど、もう少し頑張ろう」**という葛藤が表れています。堕ちては這い上がる日々を経て、正直な思いをファンに伝えたのです。
もりひさんの現在の治療状況*
もりひさんは最近、扁平上皮癌の転移が確認されました。これまで試していた治験薬は効果が見られなかったため、継続しないことを自ら決断しました。治験薬を断ると再度の治療が難しくなるため、家族に判断を委ねることはできず、最終的に自分自身で決定した形です。
今後は、ポートを埋め込み抗がん剤を投与する治療を検討しています。しかし、この治療は免疫力を大幅に低下させる可能性があり、感染症リスクが非常に高くなることも懸念されています。効果があるかどうかは実際に行ってみないとわからず、この決断に踏み切ること自体が非常に難しい状況です。
11月から免疫療法キイトルーダをする(2025/10/4追記)
11月からキイトルーダを始めることになりました。
未来への希望と発信
もりひさんは、長年の病気の苦しみの中でも、少しでも明るい未来を描き、周囲の人々を安心させたいと願っています。SNSでの発信を通して、「健康の大切さ」や「日常生活の尊さ」、そして**「希望を持つことの意義」**を伝え続けています。一方で、「希望を持てと言われても、そもそも希望がないと感じることがある」と正直に本人は話しています。
21年間にわたる闘病生活で培った精神力と、音楽や夢に支えられた日々の姿勢は、多くの人々に勇気と励ましを与えています。

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