世界一地価の高い都市・香港の“限界”は、20年前から始まっていた

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中国化・格差・住居難──そして、絶望はさらに更新される

はじめに

今や「世界一地価が高い都市」として語られることが多い香港。
しかし、20年前の時点で、すでに香港は“人間の住める場所ではない”状態に達していた。

National Geographicでも、「窓のないコンクリートの箱」に人が押し込められる暮らしが報道されていた。
それでも、香港の人々は日々を生き抜いてきた。

だが、今──
「あの頃よりも状況が悪化している」とすら言える現実がある。

Bappa Shota氏の取材動画では、現地住民の証言とともに、現在の香港が抱える超格差・住居難・中国化による自由の喪失が赤裸々に語られていた。


家賃が高すぎて「棺桶のような部屋」にしか住めない

香港では、今や5平方メートルにも満たない“棺桶ルーム”が月数万円以上で貸し出される。

1部屋を鉄格子で仕切って10人が住む
・窓はない。プライバシーもない
・キッチンもトイレも共同。風呂はない
・真夏も電気代が高くてクーラーはつけれない

これは20年前から存在していたが、**今は「より高額」「より劣悪」**という状況にまで悪化している。

しかも現在は、中国本土からの移民も急増し、香港の公営住宅の倍率が異常なまでに高騰
「香港人は10年待っても入れない」と言われるレベルで、事実上“庶民向け住宅”が機能していないのだ。


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中国化の波──自由の消失と社会の萎縮

2019年の民主化運動以降、香港の自由は急速に失われた。
国家安全維持法の施行により、SNSの発言ひとつで拘束されるリスクがある社会へ。

住まいだけでなく、言論・表現・思想の自由すら失われた香港では、多くの若者が国外脱出を望むようになっている。
というより、親世代が子供を海外へ逃がそうとしている。
その結果、**「希望がある人からいなくなる」「香港のエリート層は海外へ」**という深刻な構造が進行中だ。


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「中国の富裕層 vs 香港の庶民」

不動産の裏には“吸い上げ”の構造がある

なぜここまで地価が高騰しているのか?
理由のひとつに、中国本土の富裕層による香港不動産の買い占めがある。

・香港の不動産は、安全資産として中国富裕層が投資
・土地は限られているため、価格はさらに上昇
・庶民は家を持てない。結婚や出産も諦める人が増加

この構造により、**「生きることそのものが投資対象の犠牲になる」**という悲劇が生まれている。

日本では大学卒業したら一人暮らしが当たり前とされるが、
香港の場合、富裕層で一軒家を持っている場合でもそこに3世代同居が当たり前になっている。


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おわりに:20年前の地獄から、さらに下へ

20年前に見た香港の“棺桶部屋”は衝撃だった。
だが今、その棺桶はさらに加速している気がする。

希望を持って生きることすら難しいこの都市で、人々は今も、静かに抵抗し、生きようとしている。

香港は、もはや単なる都市の話ではない。
私たちの未来都市の“悪い見本”として、直視しなければならない現実なのかもしれない。
日本も今、同じ道をたどっている。

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