場面緘黙症と向き合うパティシエ・杉之原みずきさん17歳の挑戦

場面緘黙症とは？

場面緘黙症は、特定の環境で話すことができなくなる社交不安症の一種です。家庭では普通に話せるのに、学校や職場などでは声が出なくなることが特徴です。これは、脳が「話すこと＝危険」と認識し、強い緊張から体が固まってしまうためと考えられています。

みずきさんは小学校4年生の頃から不登校になり、特別支援学校に通っていました。学校では話すことができず、給食も食べられないなどの困難がありましたが、自宅でお菓子作りに没頭することで、自分の居場所を見つけていきました。

お母さんは「どうすれば社会に出られるのか」と考え、障害者施設への相談もしましたが、受け入れられませんでした。しかし、正面からのアプローチではなく、**「サイドからのアプローチ」**という視点に切り替えたことで、みずきさんの可能性が広がりました。

みずきさんは「みいちゃんのお菓子工房」をオープンし、パティシエとしての夢を追いかけています。話せなくても、お菓子作りを通じてコミュニケーションを取ることができるというのが印象的です。

また、彼女のケーキは「言葉ではなく、作品で気持ちを伝える手段」となり、多くの人に愛されるようになりました。これは、場面緘黙症の人にとって、**「声だけがコミュニケーションではない」**という大切なメッセージを伝えています。

場面緘黙症はまだ認知度が低い障碍ですが、みずきさんのようにオープンに発信する人が増えることで、誤解や偏見が減り、より生きやすい社会へとつながるかもしれません。

彼女の挑戦は、同じ症状を持つ人々にとっても励みになるものですね。